[2010年7月22日(VOL.43 NO.29) p.44]
海外の主要医学誌から Journal Scan
うつ病のある高齢者は認知症とADの発症率が有意に高い
高齢者のうつ病が認知症とアルツハイマー病(AD)の発症リスク上昇と関係することを示すデータが,米マサチューセッツ大学などのグループによりNeurologyの7月6日号に発表された。
同グループは,Framingham Heart Studyのオリジナルコホートで1990~94年にうつ病の有無を評価した949例(女性が63.3%,平均年齢79歳)を対象に,うつ病と認知症およびAD発症との関係を検討した。Center for Epidemiologic Studies Depression Scale(CES-D)で16ポイント以上と定義したうつ病の有病率は13.2%であった。
17年間の追跡で164例が認知症を発症した(うち136例がAD)。認知症の発症率はうつ病があった群が21.6%,なかった群が16.6%であった。年齢,性,学歴,ホモシステイン値,APOEε4を補正した結果,うつ病があった群は認知症〔ハザード比(HR)1.72,P=0.035〕とAD(HR 1.76,P=0.039)のリスクが50%以上高かった。結果は,うつ病で抗うつ薬を服用している参加者を含めた場合も同じだった。
CES-Dが10ポイント上昇するごとに,認知症(HR 1.46,P<0.001)とAD(HR 1.39,P=0.005)のリスクが有意に高くなった。軽度認知機能障害の可能性がある参加者を除外した場合も結果は同様であった。
