[2010年7月22日(VOL.43 NO.29) p.25]

~米国の小児肥満と過体重~

州によって大きな差

〔シカゴ〕米連邦保健福祉省(HHS)米保健資源福祉庁(HRSA)のGopal K. Singh博士らは「米国での小児の肥満と過体重の有病率は州によって大きく異なり,特に南部の州で高い」との研究結果をArchives of Pediatrics & Adolescent Medicine(2010; 164: オンライン版)に発表した。

差は男子より女子で大きい

 Singh博士らは今回,州レベルでの肥満と過体重の有病率を検討するため,全米小児健康調査(National Survey of Children's Health)のデータを分析した。2003年に10~17歳の小児計4万6,707人,2007年には4万4,101人が調査対象となった。

 2007年の全米データによると,小児の16.4%が肥満,31.6%が過体重だったが,その率は州によって大きく異なった。肥満有病率が最も高かったのはミシシッピ州(21.9%)で,最も低かったのはオレゴン州(9.6%)だった。ミシシッピ州では過体重有病率も最も高く(44.5%),ユタ州(23.1%)で最も低かった。州ごとの差は女子のほうが男子よりも大きかった。

 2003~07年に,小児の肥満有病率は全米で10%上昇し,女子では18%上昇した。一方,オレゴン州では32%低下し,アリゾナ,カンザスの両州の女子では2倍に上昇した。イリノイ,テネシー,ケンタッキー,ウェストバージニア,ジョージア,カンザスの6州の調整後小児肥満有病率は,オレゴン州の2倍超だった。

環境改善目指した政策が必要

 小児肥満の地理的分布のパターンは成人のパターンと似ていた。2007年にミシシッピ,ジョージア,ケンタッキー,ルイジアナ,テネシーの5州を含む南部諸州では,小児と成人のいずれの肥満有病率もトップ20%に入っていた。成人,小児の両方で肥満有病率が最も高いのは南部の州,最も低いのは西部の州だった。

 Singh博士らは「個人や家庭の特徴,近隣の社会的環境や居住環境が,小児肥満の州差の45%,過体重の州差の42%の原因と考えられた。小児肥満有病率のこのような差異を縮小させる予防プログラムには,小児の運動不足を減らしたり,TV視聴や娯楽映画を制限するための介入だけでなく,不健康な食事や座りがちな生活といった肥満を惹起する諸条件に関連している社会的・物理的環境の改善を目的とした介入を含めるべきだ」と結論付けている。


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